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お嬢様♡レッスン

第79章 異国の紳士

彼が傍まで来ると綾芽はあんぐりと口を開けてしまった。


驚く程の長身。

金色の柔らかそうな髪は自然に流れていて。

長い睫毛に縁どられたダークブルーの瞳。


麗人───。


まさにその言葉がピッタリな顔立ち。

その彼が腰を折り曲げ、綾芽の顔を覗き込むと微笑んで言った。

「やぁ、やっと逢えたね。僕の女神?」

なんと気障な科白だろうか。

しかし、彼が言うとまるで詩を読んでいるかの様だ。

(なっ!何?この人!!にっ…人間なのっ?なんて…なんて綺麗な男の人…)

綾芽の心臓はドキドキと早鐘を打つように鳴り響く。

「シャワーを浴びたんだね?髪が濡れてる…」

そう言うと彼は、綾芽の髪に触れる。

「このままだと風邪を引いてしまうよ?ヘンリーに乾かすように言おう。それとも僕が風邪を引かないように温めてあげようか?」

そう言って妖しい微笑みを浮かべる。

彼に触れられている部分が熱を持ち全身に広がる。

「あのっ…言ってる意味が…わかっ…分かりません」

思わず声が裏返る。

「本当に分からない?」

そう言うと彼は綾芽の手を取り、掌を親指で撫でる。

彼から発せられる甘くてキラキラなオーラに綾芽は目が眩みそうだった。



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