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お嬢様♡レッスン

第86章 企み

ヘンリーのそんな企みも知らずに、フレデリクは上機嫌だった。

あとはヘンリーが上手くやり、それを兄に突き付け、彼の気持ちをあの女から引き離す。

そうすれば兄は以前の様に自分だけを可愛がってくれる筈だ。

若く浅い知恵。

どんなに悪知恵が働こうが、所詮は他人任せの子供の悪巧み。

任せてしまえば、後の事は考えない。

どのように展開していくのか。

どうすれば目的を達成出来るのか。

それを考えることすらしない。

フレデリクは学問を学ぶ能力は非常に優秀ではあるが、それを効果的に働かせる能力が、未だ未熟であった。

しかし、彼は学ぶだろう。

他人を動かし、目的を達成する為にはどうしなければならないのかを。

それは上に立つ事を義務付けられた者には必要な能力である。

彼が大人の階段を上る時期は、直ぐそこまで来ていた。




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