無料で楽しめるちょっと大人のケータイ小説

「ヘンリー？あの女の件はどうなっているんだ？」

フレデリクにお茶を運んだヘンリーは去り際に主人に呼び止められた。

「申し訳ございません。桜子様は身持ちが堅いようで、私ではどうにも…」

「何だと？頼りにならないヤツだな！」

イライラした調子で、フレデリクは”ガチャン”と音を立ててソーサーをテーブルに置いた。

「お前が無理なら、他の者を…」

「お待ち下さい、フレデリク様。他の者でも同じで御座います。桜子様はウィリアム様のあのお美しい容姿に惹かれているのだと思います」

「ふん！馬鹿な女だ。見た目だけで男を判断するなんて。兄さんは優しくて頭が良くて、完璧なんだ！」

「左様でございますね。それでですね、坊ちゃま。ウィリアム様にそっくりな貴方なら、桜子様も受け入れて下さるのではないかと思うのですが…」

「何だと!?お前は僕にあの女を抱けって言っているのか！」

「すみません。経験のない坊ちゃまには無理でございますね…」

ヘンリーはフレデリクを煽る様にそう言った。

「馬鹿にするな！あんな女なんか抱きたくないだけだ!!」

（そう簡単には乗らないか…）

ヘンリーは心の中で呟く。