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お嬢様♡レッスン

第88章 戸惑いのお坊ちゃま

自身を慰めた後に、決まって訪れる罪悪感。



男同士で。

しかも血の繋がった兄に欲情するなんて───。



不道徳極まりない行為だ。


フレデリクは怠さの残る身体を起こし、バスルームへと向かう。

罪悪感を洗い流す為に。

兄はこんな自分を気持ち悪いと思うだろうか。

熱い湯を頭から浴び、彼は考える。

どうしてウィリアムは兄なのだろう。

せめて赤の他人だったら、罪悪感も薄れるのに。

しかし、赤の他人であったならば、ここまで恋い焦がれる事はなかったのかも知れない。

どうして自分は男なのだろう。

せめて女であったら、兄を誘惑する勇気が持てたのに。

行き場のない想いでフレデリクの心の中はぐちゃぐちゃで。

その想いは黒い渦となって行く。




彼の夏休みはまだ始まったばかりだ───。




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