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お嬢様♡レッスン

第89章 執事の計略Ⅳ(ヘンリー編)

最初、フレデリクは渋ったが、一人では上手く撮影出来ないから手伝って欲しいと伝えると、渋々ながら了承した。

自分が出演者になる事も知らずに。

これで準備は整ったとヘンリーは満足気な笑みを浮かべる。

あとは段取り通りに事を進めるだけだ。

ヘンリーは夕食の給仕をしながら、食後のお茶をリラックスするハーブティーにし、そこへ『マイスリー』を溶かして綾芽に飲ませた。

この薬は効果が1時間弱で現れ、作用時間も長くて2時間半程度である。

ロートマン家の夕食の時間は9時頃に終わるので、丁度良い時間に睡眠作用が減少する事になる。

そんな薬が入っている事も知らずに、綾芽はお茶を飲み干し、部屋へと戻って行った。

彼女がダイニングを去った後、ヘンリーはフレデリクと顔を見合わせて笑みを浮かべ合った。

「楽しみにしているよ」

フレデリクもそう言い残して自室へと戻って行く。

ヘンリーは彼等の食器を片付け、使用人達にワインを振る舞い、それに睡眠薬を混入した。

そして頃合いを見て、綾芽の部屋を訪れる。

彼女はソファの上で眠っていた。




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