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翌朝、ヘンリーに起こされたフレデリクは身支度を整えるとチャールズを誘い、ダイニングへと下りる。

既に綾芽はテーブルに着いていて、フレデリクが来るのを待っていた。

「おはようございます」

綾芽がニッコリと笑って、挨拶をする。

フレデリクはその笑顔を直視する事が出来ず、そっぽを向いて『おはよう』とだけ言った。

「フレデリク、その方はお友達ですか？」

綾芽がチャールズに気付き、フレデリクに尋ねて来たので、彼は友人を綾芽に紹介した。

朝食の間中、フレデリクは始終無言で、話をしているのはチャールズと綾芽だけ。

綾芽とチャールズが気を使って、彼に話を振るのだが、彼は『ああ』とか『うん』等と短い言葉ばかりで会話が成り立たなかった。

チャールズは、フレデリクの好感度ポイントを上げようと必死に彼を持ち上げ、ジョークで綾芽を笑わせる。

フレデリクはそれが何となく面白くなかった。

自分が引き出せない綾芽の笑顔をいとも簡単に引き出すチャールズに軽く嫉妬を覚える。

その苛立ちからこの場を離れたくて、フレデリクは乱暴にカップを置き立ち上がると、何も言わずにダイニングを後にした。