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お嬢様♡レッスン

第91章 お坊ちゃま、ひと夏の恋

「何?」

「入っていいかい?」

「ああ…」

フレデリクが身体を避けると、チャールズはその横をすり抜けて、フレデリクの部屋の中へと足を踏み入れる。

チャールズはソファに腰を下ろすと、フレデリクにも座る様に促す。

フレデリクは渋々と言った感じで、腰を下ろすと、不機嫌そうに『何?』ともう一度言った。

「何故、そんなに不機嫌なんだい?」

チャールズが爽やかな笑顔を浮かべてフレデリクに尋ねる。

「別に…不機嫌なんかじゃないよ。朝が苦手なだけだ」

口の端を下に落としたまま、フレデリクはそう答えた。

「キミ、朝が苦手だったっけ?彼女が僕ばかりと話をしていたから面白くなかっただけだろう?」

チャールズの指摘に、フレデリクは言葉を返せない。

全くその通りだったから。

「どうやら図星の様だね。全く…、キミって奴は。でも、これではっきりしたね。キミが彼女の事を好きだって事」

「どうしてそうなるんだよ?」

「僕に嫉妬したんだろ?それはキミが彼女を好きだからに決まっているじゃないか」

「仮に好きだとして。どんな類の『好き』なのか僕には判別がつかないんだから仕方がないだろ?」




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