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お嬢様♡レッスン

第93章 真実の行方

フレデリクはその言葉だけで十分だと思った。

誠実な彼女は、きっとその言葉通り、記憶が戻ったとしても、自分の為にここに居てくれるだろう。

後悔しないように彼女との時間を大切に過ごしたい。

「分かった。話すよ。僕が知っている事は少ないけど…」

「有難う!少しの事でもいいの。自分の事が分かれば…」

記憶の欠片が手に入る。

そう思った綾芽は満面の笑みを浮かべた。

少しの情報でもいい。

糸口が見つかれば。

「それじゃあ、今夜お部屋で…ね?」

「ああ…」

二人は約束を交わし、邸へと戻る。

綾芽はフレデリクと別れると、自分の部屋に戻りノートに手に入れたキーワードを書き記した。

その後、ソファに座って寛ぎながら書物を紐解く。

ここ数日はヨーロッパの歴史についての本を読む事にはまっていた。

少し疲れていたのだろうか。

瞼が重くなって来る。

綾芽は本を胸に抱きながら、いつしか眠りの縁へと下りて行った。

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