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お嬢様♡レッスン

第94章 夢の中でⅡ

いつの間に眠ってしまったのだろう。

綾芽は目を覚ますと、ソファの上で本を抱きかかえて横たわっていた。

胸に残る『罪悪感』と言う名のしこり。

自分はそれから逃げようとして記憶を手放した。

また自分は同じ事を繰り返しているのではないだろうか。

ウィリアムの優しさに甘え、そして彼の大切な弟の手を取ろうだなんて、虫が良過ぎる。

こんな愚かな自分でフレデリクを穢して良い訳がない。

綾芽はフレデリクに思い出したことを全て話そうと思った。

しかし、彼にトラウマを与えてしまわないだろうか。

女性と向き合おうとした彼の未来を潰してしまわないだろうか。

一応、彼は自分には他に想う人が居る事を承知はしているが、それだけが心配だった。

彼女の気持ちに同調するかの様に、空には低い雲が立ち込めていた。

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