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お嬢様♡レッスン

第95章 異国の訪問者

「そんなお気遣いは無用ですよ。ですが、友人として招いて頂けるのでしたら、考えますが」

「勿論です。それでは、後程、迎えを遣ります」

「分かりました。それでは、今のところはこれで失礼致します」

そう言うとウィリアムは立ち上がった。

彼は葛城を一瞥し、ふっと微笑むと颯爽と会議室を後にした。

葛城は彼の出て行った扉をぐっと睨む。

「珍しいな。キミがそんなに取り乱すとは…」

宗佑は立ち上がるとポンと葛城の肩に手を置き、彼の顔を覗き込む。

「今は、揶揄われても貴方の望む面白い反応は出来そうにありませんよ?」

「そんな事は分かってるさ。さて、今の僕達に出来る事は莉玖の報告を待つ事だけだ。他の仕事が溜まっている。手伝いなさい」

「はい…」

二人は会議室を後にし、会長室へと戻ると書類の束と向かい合う。

葛城は焦る気持ちを抑えようと、書類との格闘に没頭する事にした。

何も出来ない自分に歯痒さを感じながら───。

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