テキストサイズ

お嬢様♡レッスン

第13章 お嬢様の休日

「綾芽お嬢様、おはようございます!!」

朝からテンションが高めの高月の声に綾芽は叩き起こされた。

「朝っぱらから、そのテンションは何事!?」

高月はカーテンを開け終えると、綾芽の為に寝起きの一杯のお茶を煎れながら、鼻歌まで唄っている。

(高月さんてこんなキャラだったっけ?)

昨日、綾芽との間に色々とあった高月だが、何かを吹っ切ったかの様な彼はまるで別人だった。

「お嬢様、昨夜は良くお眠りになられましたか?」

綾芽にお茶のカップを渡しながら尋ねて来る高月に『ええ』と答えてカップを受け取る綾芽。

「朝食を召し上がったら、お出掛けの準備をなさって下さい」

「え?」

「気晴らしにお買い物に行きませんか?」

「突然、何を?」

「旦那様から、お嬢様にも息抜きが必要だろうからとお墨付きを頂きました」

「何のですか?」

「デートですよ!」

「誰と?誰が?」

「綾芽様と私のです」

(外に連れて行って貰えるのは嬉しいけど…。何で高月さん?)

「私とではお嫌なのですか?」

「そんな事はないですけど…」

「では、参りましょう?」

高月がにっこりと笑った。

昨日迄、高月の事を少し怖いと思っていた綾芽だが、彼が作り物の笑顔ではなく、本当に嬉しそうに笑うので少し胸がきゅんとした。

(これがギャップ萌えってヤツなのかな?)

綾芽はふと、そう思った。

「本日は私も特別にお暇を頂く事が出来ました。ですので執事ではなく、1人の男としてお嬢様をエスコートさせて頂きたいのですが、宜しいでしょうか?」

「嫌だと言っても、高月さんの中では、決定事項なんでしょう?」

「お嬢様!私の事は「高月」とお呼び下さいませ」

「ああ、そうでしたね!」

「私は綾芽様の…貴女の執事なのですから、他人行儀は無しでお願い致します」

「分かりました!」

「結構です。それでは隣に控えて居りますので、ご準備が整いましたらお呼び下さい」

そう言って高月は礼をすると、部屋を出て行った。

以前の様に無理矢理着替えを手伝う様な事はしない。

(変われば変わるもんだなー)

そんな事を思いながら、綾芽は身支度を整えるのだった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ