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お嬢様♡レッスン

第96章 緊急Mission1♠お嬢様を同定せよ

暫く、茫然としていた莉玖は、スマートフォンの震えと共に吾に返る。

タクシーの迎えの時間を知らせるタイマーだった。

彼は投げ出された荷物を拾い上げると、門に向かって歩き出す。

葛城に何と言えば良いのだろうか。

主には何と伝えれば良いのだろうか。

莉玖はその後、どうやって帰ったのか殆ど覚えていなかった。

北極圏に近いイギリスの夏は20時を過ぎても明るい。

彼は公園を見つけると、そのベンチに腰を下ろした。

何も考えられない。

どうすればいいのだ。

異国の地で一人。

莉玖は途方に暮れていた───。



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