テキストサイズ

お嬢様♡レッスン

第98章 報告

莉玖がロートマン邸を初めて訪れたその夜。

ヘンリーは主人に一日の出来事を報告していた。

ウィリアムは東乃宮邸に招かれ、ゲストルームで朝の準備をしながら、その報告を聞いていた。

「そうか、では彼は彼女に逢ったと言うことだね?」

「はい。フレデリク様が大層お怒りでした」

「フレデリクが?」

「はい。近頃、フレデリク様と桜子様は大変仲が宜しゅうございます。姉と弟…。いえ、それ以上に仲が良いと邸中で噂しております」

「そうか…。フレデリクがねぇ…」

一体、どんなきっかけで仲良くなったのだろうかとウィリアムは考えた。

自分が英国を発つまでは、あんなに毛嫌いしていたと言うのに。

「旦那様、先程メールを送らせて頂きました」

「分かった見ておこう」

「お帰りは5日後で宜しいでしょうか?」

「ああ、今のところ変更はないよ」

「畏まりました。それでは空港でお待ちしております」

報告が終わると、ウィリアムはノートパソコンを立ち上げ、メールをチェックする。

日本でのビジネスの予定は終わった。

後は綾芽の生存を確認した東乃宮がどう動くかだ。

「ヘンリーのメールはこれか?」

ウィリアムはヘンリーからのメールをクリックして開く。

やたら重いファイルが添付されていた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ