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お嬢様♡レッスン

第99章 狂乱の宴

ウィリアムがロートマン邸に着いたのは、16時を回った頃だった。

その時、フレデリクは綾芽の部屋で彼女の膝の上に頭を載せ、本を読んでいた。

傍から見れば、弟が姉に甘えて居る様に見えなくもない。

しかし、綾芽の部屋へ始終入り浸るフレデリクに、邸の者は彼らが特別な関係にある事を疑っていた。

そこへ本来の婚約者である主人の帰宅だ。

邸内の者達の好奇の目は、否応なしに注がれる。

ウィリアムは上着をヘンリーに預け、自分の部屋に戻ると鞭を取り出した。

そしてそれを手にしたまま、綾芽の部屋の扉を勢いよく開けた。

”バン!”という大きな音に、フレデリクは何事かと、身を起こし音のした方を向く。

するとそこに兄が立っていた。

静かに笑いながら。

彼は、扉を閉めて二人に近付いて来る。

綾芽はウィリアムの笑顔に凍り付き、身動き出来ずに居た。

それはフレデリクも同じで、起き上がったままの姿勢で動けずに居た。

「僕の居ない間に、随分と仲良くなったようだねぇ?ねぇ、フレデリク?」

ウィリアムがチラリとフレデリクを流し見ると、フレデリクの身体がビクンと跳ねる。

「桜子…。キミは男を惑わす天才の様だね?この厭らしい身体で僕の弟を誘惑したの?」

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