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お嬢様♡レッスン

第99章 狂乱の宴

フレデリクは兄と綾芽と繋がりながら、幸せを感じていた。

この幸せが長く続けばいいのにと願わずには居られない。

しかし、彼女は帰っていく。

本当に愛する人の元へと。

それを思うと切なかった。

それはウィリアムも同じで、男同士──しかも兄弟で愛し合う事を受け入れられる綾芽の懐の深さ、そして自分達の為に献身的に動いてくれる彼女を手放さなければいけない事を残念に思う。

ずっと傍に居てくれれば良いのにと。

自分はいずれ、貴族の娘を妻に娶る事になるだろうが、弟と彼女が結ばれ、彼等が自分の愛人になってくれれば良いのにと思う。

そして、その自分本位な考えに、心の中で苦笑する。

それで彼女が幸せな筈がない。

それでも願わずには居られない。

だが、彼女の『婚約者』と言う男が、彼女を奪い返しにやって来る。

彼女の幸せを想えば、彼の傍に居る方が良いのだろう。

恐らくは、『従弟』を名乗る男と再会したお陰で、彼女の記憶は戻り掛けている。

『彼』を思い出すのも、時間の問題だ。

自分にはフレデリクが居てくれる。

だから帰そう。

彼女を。

彼女をこの世で一番愛している人達の元へ。


ウィリアムの決心と共に、狂乱の宴は幕を閉じたのであった───。


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