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取り敢えず、綾芽とフレデリクは荷物を片付けると、ウィリアムの案内でロンドンまで出掛け、必要な物を買い揃える事にした。

そこで彼等はウエストフィールドに出掛けた。

ウエストフィールドはロンドンにあるショッピングモールの一つである。

本来ならハロッズ辺りのデパートの外商を呼び寄せるのだが、この場所の事はあまり人には知られたくない。

人でごった返すショッピングモールであれば、人の目を気にせずショッピングが出来るだろう。

そんな理由で、お忍びで出掛けたのだが、美形の二人だ。

幾らサングラスを掛けて変装をしても、漂う気品と美形オーラが人目を引いてしまう。

綾芽は逆に落ち着かなかった。

何処へ行っても注目を浴びてしまう。

三人は一日中楽しむつもりで出掛けて来たのだが、必要な物だけを買い揃えるとそそくさとその場を退散したのだった。

「ゆっくり楽しませてあげられなくてすまなかったね」

申し訳なさそうにウィリアムが言う。

しかし、それはそれで楽しかったと綾芽は彼に伝えた。

『でも、今度は一人で行く事にするわ』と付け加えて。

（そんな時間が取れるかは分からないけど…）

それでも、ロンドンに居る間は、ここでの生活を楽しもう。

そう思った綾芽であった。