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お嬢様♡レッスン

第103章 暫しの別れと新しい関係

それはヘンリーにとって願ってもない事だった。

まだ、若いヘンリーにはペンザンスの仕事では物足りなかったのである。

とは言え、ペンザンスでの仕事が楽かと言えばそうでもない。

普段はホテルとして一般に開放しているので、その客人達のもてなしから、建物や土地等の不動産管理、地域との良好な関係を保つ為のボランティア等、執事の仕事以外の事も沢山あるのだ。

方やロンドンでの執事の仕事は、使用人の管理、不動産の管理、ロートマン家の財産の管理等が主であるが、それに加えウィリアムのスケジュールの管理やビジネスの補佐、海外出張への同行を秘書と連携して行う。

そして、ロンドンでの管理を任されると言う事は、ロートマン家に仕えるの使用人達の頂点に立つと言う事になる。

「ふふ。その顔はOKだと思っていいね?」

「勿論でございます!私の様な若輩者に機会をお与え下さり有難うございます!」

「それじゃあ、頼んだよ。年棒の話は後日、改めて話そう」

「畏まりました」

「それじゃあ、乾杯しようか?ヘンリーの新しい処遇と我々の新しい生活に」

そう言ってウィリアムがグラスを掲げる。

それに倣って、各々がグラスを掲げ、笑顔でグラスを合わせた。

こうしてロンドンでの生活はそれぞれの笑顔でスタートしたのだった。

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