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「ヘンリー、お食事は大勢で食べた方が楽しいし、美味しいわ」

「そうだよ、ヘンリー。食事はコミュニケーションの場でもある。僕らはもっとお互いの理解を深める機会を持った方がいい。これからの為にもね」

綾芽とウィリアムもそれぞれ、そう言ってヘンリーを誘う。

とうとう、ヘンリーは根負けして彼等と一緒に食事をする事になった。

ヘンリーは自分を使用人の前に一人の人間として扱ってくれた主人達に対して、感謝した。

そして、彼等の為に尽力しようと心に誓う。

ヘンリーと主人達との新たなる関係も始まったばかりだ。

「そうそう、ヘンリーに話したい事があるんだ」

ワインのグラスを傾けながら、ウィリアムがそう言った。

「何でしょう？」

首を傾げながら、主人の言葉を待つヘンリー。

「今、ロンドンの邸を取り仕切っているアンドリューにね、ペンザンスの方の管理をして貰って、キミにロンドンの方を仕切って貰いたいと考えているんだけど、どうだろうか？」

「私が…ロンドンのですか？」

「ああ。キミをこちらに呼び寄せた事で、ペンザンスの管理をする者がいないだろう？アンドリューの年齢も考えて、彼にはあちらでのんびりと仕事をして貰おうかと思うんだ」