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「…？フレデリク…？どうしたの？…って言うか、私…眠ってた？」

少しぼんやりとした顔で綾芽がそう言うと、フレデリクはそれに答える。

「ああ…多分、薬を盛られたんだ…。このまま今日は帰るよ」

「駄目よ…エミリアに悪いわ。折角招待して下さったのに…」

「綾芽、キミは悪戯されてたんだよ？そんな危険な所にいつまでもキミを置いておけない」

「でも…！ちゃんと挨拶を…」

「その恰好で？」

「え？」

フレデリクに指摘されて、綾芽は自分の姿を確認する為に視線を下す。

何だか訳の分からない恰好で、フレデリクに抱きかかえられている。

「なっ!?何…？これ…」

「ダグラスがキミに着せたらしい」

「え？ダグラスが…？」

「分かっただろう？キミは隙があり過ぎなんだ。人を疑わないのはキミの美徳だけれど、もう少し注意するべきだよ」

年下のフレデリクにそう言われるとぐうの音も出ない綾芽。

彼の言う事は尤もだ。

いつも誰かに守られている生活は、いつの間にか彼女の危険を察知する能力を低下させていたらしい。

「ごめんなさい…。取り敢えず、下ろして。もう大丈夫だから…」

そう言われてフレデリクは渋々彼女を解放する。

そこへ二人が帰ると聞きつけたエミリアとウィリアムがやって来た。