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お嬢様♡レッスン

第107章 ドキドキの晩餐会

「え?そうなの?」

「まぁ、今後は分からないけれど…。恐らく、彼女以外、僕達は愛せないと思う」

「まだ、若いのに決めつける事はないでしょう?」

「ふふふ。そうだね。それじゃあ、新しい出会いを求めるとするかな?」

そう言ってウィリアムは笑いながら、邸の中へと戻って行く。

その後ろ姿を見ながら、エミリアはウィリアムにはそんな気がない事は、感じていた。

幼い頃から彼等を知っているエミリアにとっては複雑な思いだ。

彼等には幸せになって欲しいと思う。

しかし、綾芽には他に好きな男が居て、その男性といずれは結婚してしまう。

それに抗う気は、彼等にはない様だ。

新しい恋をしてその人と幸せになる人も居れば、一人の人をずっと思い続け、それが幸せだと思う人も居る。

幸せなどは人それぞれだ。

そんな事はエミリアにも分かっては居る。

自分が伴侶に恵まれて幸せだからと、他人にそれを強要する等、傲慢な人間のする事だ。

強要した結果、暴力を振るう相手であったり、浮気を繰り返す様な相手に出会ってしまったりして、不幸になる事だってあるのだから。

夫婦の在り方だってそうである。

子供が居る事が幸せな場合もあれは、パートナーさえ居てくれれば幸せだと思う夫婦も居るのだ。

しかし、人は自分の物差しで他人を図りたがる生き物である。


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