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お嬢様♡レッスン

第112章 葛城の秘書教育

須藤の気遣いを上司はことの他喜んでくれた。

その事を葛城に報告すると、彼も笑顔で彼女を褒める。

外から戻って来た上司にお茶を淹れる様に指導したのは葛城であるが、食べて来た物を把握し、それに合わせて飲み物を変える事は、まだ無理だろうと思い、そこまで指導していなかったので、自らそこに気が付き配慮をした須藤を手放しで褒め称えた。

葛城に褒められると、擽ったいが誰に褒められる事よりも嬉しい。

故に須藤はどんどん自分で考え、工夫をしていった。

須藤の成長を葛城はとても喜んでくれた。

それが何よりも誇らしい。

彼は最後の仕上げとして、須藤に本部で一週間研修してくるようにと伝えた。

「今の貴女であれば、本部の男性の目にも魅力的に映ると思いますよ?」

そんな冗談を交えながら、葛城は須藤を本部へと送り出したのだった。

そして須藤と交代で柏原由紀恵が戻って来る。

彼女の仕事ぶりも、本部に研修に出る前に比べると、同じ人間ではないのではないかと思うくらいに見違えた。

成長していないのは、橘あかり唯一人だけであった。

柏原には付きっ切りで何かを教える必要もないので、通常の業務を任せる。

そうなると必然的に橘と二人きりになる状況が生まれてしまう。

それは橘が計画した通りであった。

自分が葛城に最初に迫った翌日に解雇通知がなく、研修を受けさせたと言う事は、会社は自分を解雇はしない。

橘はそう判断した。

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