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お嬢様♡レッスン

第113章 葛城の闘い

葛城は盗聴器を手に入れると、それを柏原に渡し、取り付ける様に指示を出す。

秘書達の出勤時間は、作業に慣れて来た事もあり、1時間前から30分前に短縮されたのだが、葛城は常に1時間前には出社しており、柏原も余裕を持って行動する事が秘書には大切な事だと考え、やはり1時間前には出社するようにしていた。

未だに秘書業務に誇りを持っていない橘あかりだけは、ギリギリの30分前に出社する。

故に、彼女の居ない朝の時間に仕掛けるのは造作もない事だった。

葛城は柏原に盗聴器を仕掛けさせると、暫くは橘の動向を見守る事にした。

上手く社内で現場を抑えられればいいのだが。

しかし、葛城のそんな懸念は、笑ってしまうほどあっさりと払拭された。

動きがあったのは、昼時であった。

この日は珍しく、10時頃に副社長は出社をすると仕出しの弁当を二つ頼む。

急ぎの資料を今日中にまとめたいから、秘書の橘にも手伝う様に伝え、役員室に籠ると言う。

11時30分頃には仕出しの弁当が届けられ、橘はそれを受け取ると副社長室へと姿を消す。

正午になり、他の役員や秘書達が昼食を摂りに社外へと出て行くと、このフロアには人が居なくなる。

勿論、警備用のカメラは作動しており、外部からの侵入者には備えてあるので、もぬけの殻になったとしても、問題はない。

また、特殊なIDカードがなければ、エレベーターホールから先へは進めない様になっている。

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