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お嬢様♡レッスン

第113章 葛城の闘い

それを知っている橘は、他の者達が出払うと、上司に甘い声を出し始める。

葛城は、その声を確認するとICレコーダーの録音ボタンを押した。

「副社長~?お昼ですし、休憩にしませんかぁ?」

「ん?ああ…もうこんな時間か…。そうだな。休憩にしようか」

男がそう言うと椅子が軋む音がした。

恐らく立ち上がったのだろう。

柔らかい物が擦れる音がし、その後に何かから空気が押し出される音が聞こえて来る。

ソファに座った際に、ウレタンに含まれた空気が、身体の重みを受け押し出される音だ。

「それじゃあ、お茶を淹れて来ますねぇ?」

そう言う橘の声と扉の開く音が聞こえ、暫くすると再び扉の開く音がする。

橘がお茶を淹れて戻って来たのだろう。

硬い物が木のテーブルに置かれる音がした後、再び男女の会話が始まった。

「副社長~?どれから召し上がりますぅ?食べさせて差し上げますよ?」

「そんな事より、橘クンを食べたいなぁ」

「ええ~?もう!副社長のエッチィ~!じゃあ、あかりのお願い聞いて下さいますぅ?」

「何だね?」

「この前、お願いしたぁ~あかりの事を絶対に解雇しないって言う約束の書類が~欲しいのっ」

「ああ、いいよ?後で作ろうな?」

「ホントにぃ~?」

「ああ。ほら、今は時間がないから、後で…な?」

男の声がそう言うと、”チュッチュッ”と唇が何かに吸い付き、それを吸い上げる音が聞こえてくる。

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