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お嬢様♡レッスン

第114章 秘書のお仕事

秘書には複数人のチーム全体で上司達をバックアップする『グループ秘書』と上司個人に付く『個人秘書』の2種類の形態がある。

橘あかり達の会社は、基本的には個人秘書の形態ではあるが、秘書室全体でのフォローも行っている。

彼等は担当の上司のスケジュールの調整や管理を行い、上司がスムーズに仕事が出来る様に支えるのが仕事である。

その為、多岐に渡るスキルが必要とされるのだ。

上司の仕事内容によって、必要とされるスキルは変わって来るが、基本的な業務として、上司宛ての電話の対応やメール・手紙等の処理、来客対応や文書作成、出張の際のチケットの予約、接待の際には会食の場所の手配、取引先へのお中元・お歳暮の手配から、慶弔対応、役員室の掃除やデスク周りの整頓などが挙げられる。

つまり、究極の事務員。

それが秘書なのである。

外部とのパイプ・ラインである彼等には失礼の無いよう、一般常識や接遇能力が問われる。

葛城はそれを橘に叩き込んだ。

「はぁ…。思っていた以上に秘書って大変…」

橘はふと愚痴を零す。

「秘書の業務も知らずに秘書になったのですか?」

橘の言葉に葛城は呆れたようにそう言うと、彼女は頬を膨らませて『だって唯の事務員よりも響きが良かったから』と答えた。

「楽な仕事でしたら、受付でも良かったのでは?会社の顔でしょう?」

「でも、受付って電話対応しか出来ないみたいじゃないですか?」


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