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短編集:禁断

第5章 結婚式の前に……

沢井は、はっとした表情をしたが、すぐに微笑んで婚約者と話している。
俺も普通に客として対応する。
当たり前だよな。


「トイレどこですか」
「はい、こちらでございます。ご案内しますね」


俺は沢井と2人トイレに向かって歩く。
沢井の婚約者から見えない場所まで来る。
沢井が俺に近づく。


「鈴村……だよね」
「久しぶりだな、沢井」
「やっぱり」
「結婚するんだ。優しそうな人じゃん」
「うん、すごくいい人だよ。鈴村ってここで働いてたんだね。スーツなんて着てるから別人かと思っちゃった」
「あの頃は真面目に働くなんて考えたこともなかったもんなあ。遊ぶことしか考えてなかったな」


俺は沢井の腰に触れる。
沢井も俺に身体を寄せる。
そのまま抱き締める流れになりそうな距離で止める。
俺と沢井は身体に触れながら見つめ合う。
それが自然で……









沢井とは高校の時に1度だけ、寝た。


みんなで友達の家に泊まった時に、隣で雑魚寝していたのが沢井だった。
少しずつ身体を寄せて、俺は沢井を抱きしめた。
他にも何組かはキスしたり身体を絡めたりしていた。
沢井の頬を撫でて、キス。
みんな息を潜めてHなことを始めていた。
俺も沢井とキスをしているうちにどんどんその気になって……
拒否しない沢井の下着に手を入れた。


「あっ」
「部屋変える?」


沢井が頷く。
当時彼氏のいた沢井。
俺だっていたが……




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