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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第15章 お正月

ビールは焼酎にかわり、みんなよく飲んだ。

焼酎は、翔くんがお土産に持ってきてくれたものでなかなか買えない幻の焼酎だそうだ。
翔くんとお父さんでそれを半分ほど空けた。

さとぴとイチコは伏見の地酒を飲んでいたが、さとぴはもう真っ赤っか。
イチコは平然とコップ酒をあおっている。

翔「で、どうですか?実際の日本の景気は?」

翔くんがお父さんに話しかける。

父「うちみたいな製造業はもうダメだな。中国どころか、今はベトナムやマレーシアに流れて。」

智「翔ちゃん、正月から難しい話してんね。」

さとぴが横から口をはさむ。

翔「なかなか、一般の実年層の方の話は聞く機会がないからね。お父さんの勤務先は、アベノミクスの影響はどうですか?」

智「さすがニュースキャスターだね。難しくて、俺にはちっともわかんないよ。」

父「アベノミクスはうちには来てねーな。中小企業はまだまだ厳しいよ。」

翔くんは、普段お父さんみたいな普通のサラリーマンと話す機会がないのか、いろいろと興味深く話を聞いていた。

さとぴは、ごろんと横になったまま寝てしまった。

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