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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第4章 娘の婚約者はさとぴ

イ「お母さんは知ってるよね、嵐。」

母「うん、まあね。お父さんは知らないだろうけどね。」

イチコはグビッと一番絞りを飲む。
イチコは結構酒を飲む。

イ「急に智くんのスケジュールが空いて。今日来なかったら、しばらくは無理そうだったから。」

母「何で先に言わなかったの。付き合ってるのは嵐の大野さんだって。」

私は、食器を洗う手を休めずに言った。

イ「ごめんね、黙ってて。」

イチコが洗い終わった皿をフキンで拭いていく。

イ「智くん、どこ行っても“嵐の大野”って言われてさ。事実そうなんだけど。でも、お父さんやお母さんには“嵐じゃない大野”を知ってほしくて。」

イチコは拭けた皿を戸棚にしまっていく。

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