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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第9章 出会いと約束

母「そういうことだったのね。私、雑誌見たわ。あれを案内したのがイチコだったなんて。」

智「美術館の職員さんの名前は誌面には出なかったから…。」

母「本当にどんくさい子ね。大変失礼してごめんなさいね。」

智「いえ、いいんです。っていうか、それがいいんです。」

さとぴは照れくさそうに細い首を掻いた。

昼間降っていた雨はやみ、ホームの空からは月が見える。
今夜は満月だ。

京都特有の蒸し暑い夜。
湿度が体にからみつくようだ。

母「大野さん、イチコに何かあったら殺すよ。」

智「えっ…!?」

母「大野さん信じてるイチコに何かあったら、あんた殺す。」

智「……。」

イ「どう、殺すって言われる気持ちは。」

智「あまりいいもんじゃねぇな。」

母「それならしっかり守ってやって。大野さんのやり方で…。」

智「はい。」

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