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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第11章 初めてのコンサート

ピンスポットが当たるステージ。

宙を舞うような滑らかな動き。

伸ばした指先までもが、空気を震わせる。

突き抜ける通る声。
どこまでも届く歌声。

スタジアム中が息を飲んで見つめた。

小さな小さなさとぴが、大きく見えた。

とてつもなく大きく見えた。

コンサートは後半、メンバーは自由にスタジアムを回周し出した。

私の前の広い通路は、そのために用意されたものだった。

メンバーの乗るトロッコが走り抜けるたび、歓声が響く。

時に、ファンのうちわを見てピースしたり指を指したりするメンバーもいた。

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