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拝啓、ムコ殿!【ARS・O】

第12章 結婚式

母「大好きで結婚しようと思った人でも、いざとなると不安になるわよ。所詮他人同士だからね。」

私はイチコの手を握った。

母「何万人を幸せにできるからって、たったひとりを幸せにできるとは限らない。」

イ「お母さん?」

母「大野さんがイチコを幸せにできるかは、お母さんはわからない。でも、イチコのことはお母さん信じてる。」

イ「え…?」

母「イチコが選んだ人は、アイドルでも、公務員でも、パン屋さんでも、お母さん信じる。だから、イチコも自分を信じなさいよ。」

イチコは、ポロポロと涙をこぼした。

母「花嫁さんが泣くんじゃないわよ…。」

私も、ポロポロと涙がこぼれた。

もう、開式の時間が近づいていた。

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