テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 足を突っ込んだ、泥がたまった用水路には、まだしっかりと足の形がついていた。


 そこをヒョイと飛び越え、昨日は行かなかった、その先に足を進める。


 予想では、この先に廃屋があるはず。


 昔は人が住んでいたことがわかった。と、いうことは、どこかに生活の利器が残っているんじゃないか?


 状態がよければ、そのまま助けが来るまで住めるのだろうが、夜になるとそこは急速に豹変する。


 しばらく歩くと、建物が見えてきた。


 そこは、門構えがしっかりとしている、大きな屋敷だ。


 辺りは草が邪魔なほど伸び、つるが壁の隙間に入り込み、建物全体に絡んでいる。


「すげえな……ここにも金持ちがいたんだな」


 どこかに入れる場所はないか?


 上から見たら3、4軒あるように見えたが、それが大きな一軒の屋敷だと言うのがわかった。


 しかも、よく見ると二階建てだ。


「すげえな……」


 正面玄関から入ろうとしたが、床が腐蝕し、歩ける状態ではなかった。


「ここはいつの建物なんだ? ひでえな……」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ