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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 普段から料理なんてしない俊輔にとって、料理になにが必要なのかがわからない。


「鍋は間に合ってるし……ナイフか包丁が欲しいところだな。婆さんがとってきた鎌はヤバいわ……」


 戸棚や引き出しを開ける。スプーンやフォーク、箸が並んでいる。


 俊輔は、箸は必要だと、何本かまとめて拝借。


 あと、魚や餅等の調理に使う、焼き網があった。


 しかし、包丁は見当たらない。


「やっぱ、料理人の命は包丁だから、それらはみんな持っていくんだろうなぁ……」


 料理はしないが、料理人の気持ちは、わかるようだ。


 この調理場では、特に喜べるようなものは見付からなかった。


 裏口から外に出ると、大きな貯水槽がドドンと唸るように現れた。


「そっか、ここに水を貯めて、管をつないで生活用水にしてたわけだ。てことは……絶対に井戸があるな」


 調理場には井戸はなかった。俊輔は、この建物の周りに井戸があると睨んだ。


 物置小屋があった。


 建物とは別にある物置。


 昨日のトラウマが過る。


「開けたらトイレじゃねぇだろうな……あんなトイレだったら、どんな消臭剤でもかなわねえぞ」


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