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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 開けたくない。


 開けなきゃはじまらない。


 開けるのが怖い。


 小梅はいない。


 自分しかいない。


「俺しか開けるものいないか……」


 物置の戸の微かな隙間に、二つの鼻の穴を押し当てる。


 そして、一気に吸い上げた。


『すぃーーっ』


 ほこり臭く、鼻の奥の茂みに何かが触れ、クシャミの連発。


「ハァーッション!! あかん……なんでも試したら、とんでもないことになる」


 小指を突っ込み、正体不明の微粒子をかき出す。


 だが、ここがトイレでないことがわかった。


 ゆっくりと開けてみる。


 多少、ガタつくが、開かないことはなかった。


 中はホコリッぽく、雑巾臭い。


 小石が入ったバケツ、竹ぼうき、シャベル、ノコギリ、ロープ、傘、釣竿等があった。


「あっ!! すげぇっ!! ここ、ある意味、宝の山じゃねえか」


 さすがに全部は持っていけない。


「ロープとシャベルと傘は、借りていこう。あとは、また借りにくるか」


 借りたロープを使って、運びやすいように、しっかりと束ねる。


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