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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 なにか、見えない糸のようなものが手に食い込んでいる。


「……これは?」


 その糸を探る。


「これって……釣糸?」


 よく見ると、シャツの裾に、針が引っ掛かっていた。


「て、ことは?」


 その糸の反対側の先は、物置に続いていた。


「そうか……そういうことか」


 物置の中にあるものを物色中、釣竿の針が引っ掛かったために起こった。ただ、それだけのことである。


「釣竿か……まあ、魚でも釣るかな。これも持ってこう」


 引っ掛かった針をはずし、釣竿も一本借りていくことにした。


 バッグを肩に、右手には竹カゴ、左手に釣竿と傘とシャベルを持って、移動する。


「けっこうな荷物だな。旅館に人がいれば、フロントに荷物預けるんだけどな……」


 俊輔は仕方なく、荷物を持って歩くと、旅館入り口前に道を見つけた。


 そこは、意外にも舗装されたコンクリートの道だった。


「こんな道があるんだ……まだまだ調べることが多い島だな。てか、どこに着くんだろ?」


 ただの白いコンクリート道だったが、俊輔にとっては、久しぶりに文明に出会えた気がした。


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