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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 港から時計回りに進むと、やや小高い岩場が見えてくる。しかし、両手がふざがっている俊輔には、困難な道のりだ。


「ちょっと行きにくいな……」 


 辺りを観察してみると、岩場の間に、人工なのか自然なのか、狭い階段のようなものがある。


 人、一人が、なんとか通れるような急な階段だ。


 上を向くと、途中までのものではなく、ちゃんと地につながっているようだ。


「……いってみるか」


 少し体を斜めにし、一歩ずつ階段を上がる。


 途中、締め付けられそうな曲線階段を通り抜け、ようやく最上に到着。


 見晴らしはいい。だが、この見晴らしは俊輔にとってはいらないもの。


 どうでもいい。


 早く、この島から出たい。


 ギラギラと太陽の光をちりばめた朝のイルミネーションなんて、見ていてもなにもならない。


 腹はふくれない。喉は潤せない。家に帰れない。


 昨日はなんとか、鶏肉と魚にありつけた。


 正常に戻った小梅が、野生のニワトリを捕まえたから、ガッツリと食事ができた。


 そんな上手くいく日が続くことなんて、まずないだろう。




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