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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 道は続いていた。また、自然の土道だ。


 ほんの10分ほど前の、コンクリートの舗装路が懐かしく感じる。


 林側に金網が張ってある林道を通る。時折、黒と黄色のブリキ板を見かける。


 熊かなにか出るのだろうか?


 ここは大自然が主な無人島。そんな動物がいてもおかしくはない。


「熊はやっかいだなぁ。鹿であれば、捕まえて肉に出来るんだけど……無理だなバラせない。婆さんでも、鶏はできても鹿はやらねぇだろ」


 今までは、蛇や毒を持つ生物がいないか確認し、こけないように足元だけを注意して歩いていた。これからは、辺りを注意しながらも歩くことにした。


 大きな危険動物がいないとは、限らないのだ。


 だが、その目の前に……。


「っ!!」


 俊輔の足が止まった。


 思わず、ゆっくりと後ずさりをする。


「あれは、ダメだろ……あれは……」


 そこにいたのは、土の中に顔を突っ込む、横に倒した樽のような動物。


「あれ……イノシシじゃねぇかっ!! 神戸のあの辺の住宅街で出たっていうニュースと、同じじゃん」




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