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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 しかも、まあまあな大きさがあり、金網が張ってない場所に、これから通ろうとする道のすぐ右横にいる。


「いや、なにもしなけりゃいいんだ……うん、素通りすりゃ、大丈夫だ。なんか、食ってんだろう。うん……ゆっくりと召し上がって下せぇ」


 素知らぬ顔して素通り作戦を、決行することにした。


「そうだよ、刺激しなきゃ大丈夫。大丈夫う〜ぅ〜ぅ……」


 声を出さないように、さりげなく歩く。


 俊輔が見ているのは、ただのイノシシではない。


 豚と野生のイノシシが交配した種、俗に言う「イノブタ」である。


 そんなイノブタの様子を見ながら、ゆっくりと移動する。


 注意に注意を重ね、注意しながら歩いているにもかかわらず……。


『ブギャッ!!』


「っ!!」


 息が止まり、一瞬、全身が冷たくなった。


 なにかを……踏んだ。


 恐る恐る足元を見る。


「あら、かわいい。まん丸なウリボ……」


 子供のイノブタ。


 では、あそこで土に顔を突っ込んでいるのが、親?


 思いっきり、バッチリ目が合った。


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