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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 しかも、デカイのがもう一頭、奥にいた。


 つがいなのか?


 しかも、注目されている。


「……あ、あはは、かわいいお子さんですねぇ〜、僕、いくつかなぁ〜……て、メスかなぁ?」


 笑いながら、後ろにさがる。


 土に突っ込んでいたイノブタには立派な牙がある。間違いなく、オスだ。


 危険を感じ、ゆっくりと後ろに引く。


 子供のイノブタがブヒブヒ言いながら、親の方に寄っていき、こちらを見る。


 明らかに「あの人間に踏まれてん」と言っているようだ。


『グホッ!!』と親は、鼻を鳴らす。


 ひょっとして「そこのお前、うちの子に、なにしてくれてんねん!!」とでも、言っているのだろうか?


 俊輔は手に持っているシャベルで対向しようとした。


 だが、ロープをきつく結びすぎたのか、なかなか取れない。


 しかも、雨天移動用に持ってきた傘が邪魔だ。


 親が近寄ってくる。


「待った……ちょっと……ご両親のお怒りはわかります……しかし、故意にやったわけではございませんし……」


 丁寧に言っても、通じるわけがない。


 イノブタが突進してきた。


「うわぁーっ!!」



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