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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 もちろん、俊輔にあのイノブタを仕留める術なんてない。


 背中を土まみれにしながら、ゆっくりと起きる。


 昔、暴走族にからまれた時と、同じようなドキドキと、軽い息切れを起こしている。


「しかし、怖かった……」


 この一言に、重みを感じた。


 イノブタが目の前に、迫ってきてわかった。


 でかい。


 でかかった。


 あんなのにぶつかられたら、くの字に吹っ飛んでしまう。


 それはまるで、ベジータに攻撃されたヤムチャのように……。


 俊輔の頭の中では、そうイメージが沸いた。


「負けてらんねえな。まだ生きてんだしよ……」


 俊輔はゆっくりと立ち上がった。


『っ!!』


 右足首に柔い違和感を感じる。


「え……」


 不安が押し寄せる。だが、それは次第にパワーを増してくる。


 踏み込むと、異物が足首の奥にあるような感覚が、俊輔を襲う。


「うぐっ……いっ……いて……」


 どうやら、後ろに倒れた時に、痛めたようだ。


「冗談じゃねえよ……」


 必死になって立ち上がるが、突き刺すような痛みが足首に走る。



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