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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 足首の関節辺りが、赤く腫れている。


 押すと鈍い痛みが走る。


「冷やすものが欲しいな……無いよな……帰ったら婆さんに……」


 小梅も腰痛だ。


「ダメだ……二人とも負傷かよ……結局、まだ立てる俺がやんなきゃ……」


 暑さもあってか、息があがる。


 足を擦るが、ただ痛いだけ。


 なぜ、こんな辛い目にあってるんだろう?


 なぜ、こんな惨めな思いをしなければならないのだろう?


 泣きたくなる。


 大声で泣きたい。


 年齢はもう大人だが、なにも出来ずに苦しむしかない現状に、男としてのプライドはもろくも砕け散った。


 嘆き悲しみ、そして号泣した。


 泣いたって、誰も助けに来ない。誰もいないんだから。


 だから、泣いている男を見たって笑うやつもいない。


 その姿は、膝をすりむいて泣き叫ぶ幼児と同じだ。


 これだけ大声で泣きわめいたのは何年ぶりだろうか?


 涙が流し切れるまで、声が枯れるまで泣いてやる。


 木にもたれ、両足は前に伸ばし、腕はだらんとおとしたまま。



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