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サバイバルヘルパー

第2章 島

 だが、ここで腐っているわけにはいかない。


 失いかけた希望を呼び戻すために、絶望感と真正面で向き合うしかない。


 見付けるのは食料だけではない。


 水もなんとかしないと、生きるための道がふさがってしまう。


 課題は山積みだった。


 しかも、俊輔はアウトドア等のレジャーの経験はなく、自然に関してもうとい。


 ただ、昔、テレビで見た野外活動のレクチャー番組を、必死に思い出していた。


 子供の頃、好きな芸人が番組のMCをつとめ、様々な自然環境の中、サバイバルの達人と一緒に自給自足をするという内容だった。


「チクショー、あれ、ビデオに撮っておけばよかった……」


 撮っていたとしても、見ることが出来る状況ではない。


 俊輔は海沿いを歩くことにした。


 やがて、ある程度の岩場を抜けると、砂浜が見えてくる。しかもその幅が狭くなってきた。


 俊輔はそこに、あるものを見付けた。


「なんだあれ?」


 約10メートルほど先に、黒い物体が見える。


 ひょっとして、生き物かもしれない。


 俊輔は、棒を両手で握り、一歩ずつゆっくりと近付いた。



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