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サバイバルヘルパー

第2章 島

 なにかが横たわっているのか?


 見知らぬ生物。ここは島だから、あり得る。


 だが、近付くにつれ、その心配はなくなった。


 嬉しさに変わった。


「おい、これって……」


 それは、ボストンバッグだった。


 俊輔は駆け寄った。


「マジか、マジか、マジか、マジか、マジか」


 船が転覆した時に、ここまで流れ着いた乗客の持ち物だろうか?


 まあまあな大きさがある。


「これ、中に入ってるだろうなぁ……開けてバラバラ死体とか嫌だぞ」


 俊輔は腰を下ろし、シャツで額の汗を拭う。


 ボストンバッグに手を伸ばすと、長いベルト状のものがあった。


 どうやら、肩掛けタイプのようだ。


 俊輔は恐る恐るファスナーを開けてみた。


「あれ?」


 中にはエアー枕、折り畳み傘、新聞紙、メガネケース、手帳、本、アダプターコード、空のペットボトル二本、ビニールの小袋に入った薬品のようなもの、後は衣類。半袖のシャツとボクサーパンツが六枚ずつ入っていた。


「男性の持ち物だったんだ……でも、これは使える」


 思ってもみなかった収穫。俊輔はバッグのまま持ち帰ることにした。

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