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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 俊輔が見付けたのは山芋だった。


「前に聞いたことある。近所のおっちゃんの田舎の畑がイノシシに荒らされたんだと……サツマイモを掘って食べられたって。だから、山芋も掘って食べるんだろうな」


 俊輔の言う通りだった。イノブタは、まず葉っぱとツルを食べたあと、穴を掘りながら、山芋を食べていたのだ。


「これ、掘りたいな……」


 偶然とはいえ、せっかく見付けた食料。なんとしてでも手に入れたい。


 俊輔はシャベルを短く持って、座った状態で掘りはじめた。


 周りの土を少しずつ、芋が折れないように掘り出す。


 だが、常に自分の周りも注意しなくてはいけない。


 また、さっきのイノシシ(イノブタ)が襲ってくるかもしれない。


 それが一番の気がかりだった。


 芋は途中、スポッと抜けた。折れずに掘り出せた。

 だが、結構、深くあるものだと思い込んでいた俊輔は、ガックリと肩を落とした。


 30センチにもみたない、短いサイズの芋が出てきた。


 自分の履いている靴と、比較する。


 靴のサイズが26センチ。


 掘った芋も、同じサイズだった。


 だが、これも貴重な食料だ。


 バッグの中に入れ、持ち帰ることにした。



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