テキストサイズ

サバイバルヘルパー

第5章 負傷

「やったぁーっ!! 芋だぁーっ!! 植物性が口に出来る……」


 期待したサイズではなく、最初はガッカリとしたが、モノは小さくとも、手に入れたことの喜びは大きかった。


「やつに痛い思いさせられたんだ。このくらいもらったって……て、代償がこれか……けど、あのイノシシ、絶対食ってやっかんなっ!!」


 シャベルを支えにゆっくりと立ち上がり、一歩を踏み出す。


「イッ!!」


 ズンとした痛みがくる。


 おそらく、またさらに腫れているのだろう。


 靴がきつくなってきた気がした。


 もう一度、靴を脱いで見ようと思ったが、次は履けないと判断。


 痛みを我慢し、とりあえず戻ろうと、歩き出した。


 この先の道で合っているのだろうか?


 無事に浜まで戻れるのだろうか?


 小梅は……それが気がかりだ。


 芋を見せたら喜ぶだろうか?


 昨日のように、自分以上の物を、手に入れたりしてないだろうか?


「帰ったら、婆さんがパイナップルとか持ってたら、かなりショックだな」


 だが、小梅も腰痛。


 食料を探せるほど、回復はしていないだろう。



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