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サバイバルヘルパー

第5章 負傷

 ヒョコヒョコと足を引きずるように歩く。


 やがて、見覚えのある光景に出た。 


「あれ、ここは……」


 昨日、水を抜いて、鯉を捕まえた溜め池だ。


 念のため、池を覗きこんでみる。


 水は底の方に残り、まだ鯉が何匹か泳いでいる。


 しかも、水が減ったうえ、藻がからみやすく、泳ぎにくそうだ。


「また、お前ら釣りにくるからな。待ってろ」


 そう言うと、またヒョコヒョコと歩き、浜に向かった。


 かなりの時間歩いている。普段ならすぐ着く距離なのだが、やたら遠く感じる。


 ようやく砂浜が見えた時、空は赤くなってきた。


 足の痛みと疲れに加え、精神的にも苦痛を感じていた。


 なにも楽しいことは、考えられなかった。


 安心できるもの、楽になるものが無いのはわかってはいるが、我が家となる浜に帰りたかった。


 砂地になると、よけいに歩きにくい。


 杖代わりのシャベルが砂に沈み、バランスがとれない。


 我慢出来ず、痛めた右足の靴を脱いで、海水に浸けた。


「あ、冷たい……気持ちいい……」




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