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サバイバルヘルパー

第6章 水

「これ、野菜なの。食べれるの」


「草と花。花は観賞するもの。せっかくキレイに咲いてるのに、かわいそうだろ」


 実際にかわいそうなのは、俊輔の方だ。


 小梅が手に入れてきたのは「吊り鐘草」という花と「ヤブカンゾウ」という草。どちらとも山菜であり、少量なら、そのままでも食べることができる。


 小梅は食べられる種類の植物だということは、知っていた。


 それは、痴呆が出ている状態でも、判断は出来ているようだ。


「知らないぞ。そんなの食べて、後でお腹が痛いとか言っても知らないからな」


 知らないのは、後でお腹が空いたと言うかもしれない俊輔の方だった。


 すでに頭はバサバサ、無精髭も目立ちはじめてきた。


 足の痛みはまだ完全ではない。


 慣れない無人島生活に、心身ともに疲れはてていた。


 今までなら、喉が渇けば、自動販売機がある。腹が減れば、コンビニがある生活だった。


「腹減ったなぁ……」


 やっぱり言った。


 3日ほど、まともなものは食べていない。


 山芋は小梅が分けてくれたが、一口かじっただけだ。


 後、口にいれたのは、少量の水のみ。


  

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