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サバイバルヘルパー

第6章 水

「喉が渇いた……水……飲みたい」


 目の前にあるのは海水。浴びるほど飲むわけにはいかない。


「飲まなきゃ死ぬな……」


 足が痛くて、あまりウロウロはできなかった。だが、そろそろ行動に移らなければ、食べるものもない。


「しかし、ババァ、よく耐えれるなぁ。腹減らねぇのかよ」


 空腹と喉の渇きで、イライラも積もる。


 口も悪くなり、婆さんからババァと呼び方が変わる。


 ほとんど安静にしていたためか、足の痛みはかなりマシだ。


「腫れはかなりひいたな。これだったら歩くことはできる」


 今日はとにかく水を手に入れることを、目標にしなくてはならない。


 次にいつ雨が降るかも、気象予報士の情報がないために、予測は出来ない。


 試しに聞いてみた。


「婆さん、今度はいつぐらいに、雨がふると思う?」


「私ね、東の空からまとまった雨雲が西の方に入って抜けていき、近畿地方あたりから強い雨足を」


「適当に言うてるわりには、まともに聞こえるぞ……じゃ、いつ降るの?」


「おととい」


「行ってきまーす」


『ガンガンガンガン!!』


「怒るなっ!!」



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