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サバイバルヘルパー

第6章 水

 こんなユニークなやり取りができるのは、ごく稀だ。


 おそらく慣れてきたのだろう。


 俊輔と遊んでいるのだ。


 そして、俊輔はなんとなくわかった。


 わりとこの場でクオリティの高い冗談や、自分との面白いやり取りをしている時の小梅のは、特に楽しそうな目をしている。


 これが正常な小梅なのではないかと、思うことがある。


 鶏を鎌で捌いたり、山菜を見付けたり、このまま行けば、うまく協力しあって、島を脱出出来るかもしれない。


 こうなったら、今の自分が出来ることを考えるべきだ。


 今日はいつものバッグと釣竿を持っている。


 また、途中で捨ててきた竹カゴも拾いたい。


 そして、水だ。


 今日の仕事は水の確保。竹カゴを拾う。そして食料調達。


 足は痛いが、動けないことはない。


 ただ、なにかあったら走って逃げることは出来ないだろう。


「またあの、イノシシが出たら嫌だなぁ……今日は見付けたら、静かに去っていこう」


 俊輔は砂地ではなく、林側から歩いていった。


 砂地はなんとなく不安定で、足に負担がかかると思った。




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