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サバイバルヘルパー

第6章 水

 まずは、昨日イノブタに出会った場所に行き、竹カゴを拾う。


「あれは、ものを入れるのに役立つからな」


 もとは入浴する際、着ていた衣類、着替え等を入れるためのかご。


 日用品を入れたり、なにかをすくい取るのに必要だ。


 俊輔は溜め池の横を通り、イノブタと出会した場所に着いた。


「今日はいないだろうな……」と辺りを見渡すが、それらしきものはいない。


 俊輔はさっさとかごを拾って先に進もうと思った……が、かごがない。


「ぅんん〜?」


 無い。無い。無い。無い。


 どこにも無い。


「あれ? たしか、この辺に置いて行ったはずだけどなぁ……」


 反対側は林になってはいるが、急な斜面で枯れ枝や枯れ葉でおおわれている。


 その、はるか下に目を向けた。


「ありゃ……」


 落ちている。


 ご丁寧に、持ち出してきたかご、2つとも斜面の下にある。


「これは行きにくいなぁ……また旅館に取りに行くしかねぇな」


 おそらく、イノブタに落とされたのだろう。


「しょうがねぇか。次は水でも探すか」



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