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サバイバルヘルパー

第6章 水

 諦めてこの場を去ろうとすると、その周辺、明らかにイノブタが掘り返したとされる穴が、多くあるのに気がついた。


「そういえば、ここで芋を手にいれたんだよな」


 俊輔はその周辺の土を踏み込んでみる。


「土が全体に柔らかいのか?」


 イノブタが餌を取るのに穴を掘り、積もった土が山となった。


 そこが畑のように耕されているのだ。


 全体をよく見ると、木にからまったツルについている葉が、すべて芋の葉だ。


「なんだ、芋ばっかじゃん。なるほど、ここがイノシシの餌場なんだな」


 俊輔はイノシシだと思い込んでいるが、あれはイノブタだ。


「……ここに罠を仕掛けたら捕れるかもな」


 餌場にしているのは、ここ以外、他にもあるだろうが、何度かここを訪れているのは間違いない。


「水見付けたら、ここに罠をかけてみるか。かごは失ったが、それ以上のものを手に入れたような気がするな」


 もし、捕まえたら、炎の上でグルグル回して丸焼きにできる。


 それだったら、自分でも出来そうなきがする。


 そんな大きな期待を胸に、俊輔は水を探しに出た。



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